ルカの福音書講解説教(3)/メッセージ原稿/『序文』(その 3)/2016.04.03
『福音の真理を伝える情熱!』
―神学者と牧師の心を持って書かれたルカの福音書ー
《ルカ 1:1-4/今回は 1:3b-4》
【序 論】
●前回から、私たちはルカの福音書の序文に記された著者であるルカ自身について学び始めました。ルカは
医者でありまた歴史家でした。「愛する医者ルカ」(コロ4:14)と使徒パウロから呼ばれ、またイエス・キリストの
偉大な生涯を「綿密に調べ(る)」(ルカ 1:3)ために、歴史家として骨の折れる作業を積み重ねて壮大な
福音書と使徒の働きを書き記しました。偽りの歴史家や文筆家によって、どれくらいの多くの国々の
歴史が歪められ、それに伴う問題解決が遅れてきたでしょうか?!その点、歴史家ルカの記述は、聖
霊によって誤りが入る事から守られる事によって、多くの魂が救われるために用いられました!
●さて、今回はルカの福音書の序文の三回目のメッセージで最終回です。今回は、神学者としてのル
カそして牧師としてのルカについて学んで行く事にします。今日、世界の多くの教会の大きな弱点は神
学がないところにあります。そして、もう一つの弱点が、一人の魂を愛する愛に欠けているところに
あります。その二つの重要な点を、ルカから学んで行く事にしましょう。
●今回のメッセージの主題は、『福音の真理を伝える情熱!』です。そして、副題が「神学者と牧師の心
を持って書かれたルカの福音書」です。メッセージの大まかな流れは、下記のアウトラインの通りです。
【序文の全体のアウトライン】
◎序論/ルカの福音書の特徴/済
[1]医者としてのルカ(コロサイ4:14/他)/済
[2]歴史家としてのルカ(ルカ1:1-3a)/済
[3]神学者としてのルカ(ルカ1:3b)/今回
[4]牧師としてのルカ(ルカ1:3c-4)/今回
【今回のアウトライン】
[1]神学者としてのルカ(ルカ1:3b)
1)順序立てて書くこと(1:3b)
2)歴史における神の主権を書くこと(22:22/他)
3)万人の福音書を書くこと(7:2/他)
4)救いをはじめとする教理を書くこと(18:14/他)
[2]牧師としてのルカ(ルカ1:3c-4)
1)テオピロという一人の人物(1:3c)
2)テオピロという一人の人物へ届けられる福音(1:4/他)
3)テオピロの背後にいる全世界の魂へ届けられる福音
―1―
【本 論】 それでは、今回のメッセージの本論に入りましょう。
[1]神学者としてのルカ(ルカ1:3b)
1)順序立てて書くこと(1:3b)
―神学の重要性とその立ち位置―
●今回のメッセージの第一ポイントは、神学者としてのルカです。神学と言いますと、多くのクリスチャンで
さえも、「ああ、難しい。ああ、硬い。」というイメージを持っている事と思います。しかし、神学無くして、キリ
スト教は語れませんし、聖書を紐解く事もできません!神学は非常に重要です!恐らく大切なのは、
神学を難しいというイメージを相手に持たせずに、なるべく平易な表現を用いて相手に分かり易く聖書の教
えを伝える事だろうと思います。しかし、教会の中心に健全な神学によって聖書の教えが土台として据
えられる事は、キリスト教会にとっては必須です!
●数々の学問がこの世界にはありますし、主だった学問の種類でも数十に及びます。そして、それぞれの学
問はまた細かく分類されています。例えば、医学という学問を一つ挙げてみましても、実に様々な分野に分
かれています。総合病院に行くと分かりますように、頭の先からつま先まで数十に及ぶ診療科科目がありま
す。細かい分野まで含めると恐らく百近い数の学問に枝分かれするのではないでしょうか。ここで、皆さんに
考えて欲しい事があります。これらの種々雑多な学問の頂点に立つ学問は何なのかという事が大切で
す。全ての学問に通じ、全ての学問に関わっている学問とは何なのでしょうか?それは、神学です!
宇宙の果てから地球の奥底のマグマに至るまで、またこの世界の存在から人間一人ひとりの存在
に至るまで、全てを網羅し、全てに答えを持っている学問、全ての学問を生かす学問、それが神学
です!聖書の基づいた神学です!ルカは、福音書と使徒の働きの二つの書巻を記した神学者であ
りまた牧師でした!
●神学者や聖書学者のキリスト教発展への貢献というものには物凄いものがあります。私たち一人
ひとりが一冊の聖書を持ち運びできるのは、これらの学者たちのたゆみない努力の賜物です。写本
の聖書を翻訳する前に、羊皮紙(動物の皮)やパピルス(植物の紙)に書かれた数千に及ぶ写本の一
つひとつを薬品などに浸けて柔らかくして引き延ばして解読できるようにします。そして、それらを分類
して保管し、そしてその写本に基づいて聖書翻訳者が世界各国の言葉に翻訳して行きます。
―神学者の重要性―
●特に、神学者たちは、66 巻の聖書の内容を一般の人々が理解できるように紐解いて行く必要が
あります。そのためにも、聖書を解き明かす考え方や論理を一貫してぶれる事無く保ち、そして聖書
の解釈を深めて発展させて行きます。よく練られた理解しやすい論理で説明を進めて行く事によっ
て、聖書の理解や解釈があちこちに飛ばないようにします。そして、読者が、聖書が言わんとしてい
る真理を悟れるよう説得して行きます。そのような神学者の努力によって、私たちが聖書の大切な教
理を理解し受け入れる事ができるようになるのだという事を理解する必要があります!
―2―
―教会の中心に必要な神学者としての牧師―
●ここで忘れてはならない重要な点は、神学を教会に戻さなければならないという事です!それ
は何を意味するのかと言いますと、牧師は本来神学者でなければならないという事です!このキリス
ト教史の中で、実は神学者は全て本来牧師であったのですが、それがいつしか神学者は神学校の教
授という図式になって行きました。それを、教会は取り戻さなくてはなりません!教会の中心に健全
な聖書の土台を据えるには、牧師が健全な神学の知識を深め、それを元にした健全な教理を教会
で教える事は不可欠ですし、第一にしなければならない任務です!その点で、ルカが神学者であり
且つ牧師であったという事は、私たちがよく理解しておかなければならない点です!
●実に、この牧師の型を教会は取り戻さなくてはなりません!何もルカだけではありません。使徒
パウロにしても、ペテロにしても、ヨハネにして、ヤコブにしても皆同様でした!この神学者且つ牧
師という型が崩れると、教会はどうなって来ると思いますか?実用主義に走ります!聖書の教えから
外れ、この世の手法によって教会を発展させようとします!多くの人々を集めるにはどうすればよ
いのかという方策に捕らわれて来ます!そうなると、もはや、健全なキリスト教会とは言えません!
―「順序を立てて書(く)」という意味―
●ルカは、3 節の後半で、「順序を立てて書(く)」事によって、その目的を達成するようにしていま
す!これは、神学者の視点です!ルカの福音書を読みますと、最初から最後まで、時系列に書か
れている事が分かります。キリストの誕生、割礼、少年時代、そしてバプテスマへと移り、公生涯に進み、
十字架と復活でその頂点に達します。例外は少しあります。例えば、バプテスマのヨハネが人々にバプテス
マを授け、そしてヨハネの元に来られたイエス様にもバプテスマを授けるところがありますが、ルカはその間にヨ
ハネがヘロデによって投獄されるという出来事を入れて伝えていますが、その記述は時系列にはなっていませ
ん(ルカ 3:15-20)。しかし、それは、ルカが敢えてバプテスマのヨハネという同じテーマで記した方が、読者には
分かり易いと判断した事から来ます。いくつかの例外があるにせよ、基本的には時系列に沿ったまとめ方
は最初から最後まで一貫しています。
●この福音書の最初の受取人であるテオピロに対して、ルカは、「順序を立てて書いて差し上げるのがよ
いと思います」と記していますが、時系列に書いて分かり易くする事は勿論の事ですが、その最終ゴール
は、何と言っても読者がキリストにある神の救いの目的を理解し、その真理を信じ受け入れる事で
す!そのために、細心の注意を払ってキリストの生涯について目撃者たちから直接聞取調査し、体系
立てて論理的に分かり易く伝えて行ったのでした!
2)歴史における神の主権を書くこと(22:22/他)
●ルカが読者に知って欲しい極めて重要な神学的真理は何であったのかをご存じでしょうか?それ
は、この歴史における神の主権を理解する事の重要性です!カルバン主義の言葉を使いますと、こ
の天地に神の主権が及ばないところは、1cm四方もありません!もし、この天地に神の主権が及
ばないのなら、この天地はたちまち崩壊してしまいます。(続く)
―3―
この天地に働いている自然の法則、たとえば引力の法則とか、沸点に達するとお湯が沸くとか、氷
点に達すると水が氷るとか、太陽が規則的に昇りまた太陽が規則的に沈むとか、新月・半月・満月
が定期的に見られるとか、それら全ては主の主権が及んでいるからそうなるのです!それが自然だ
からという事で可能ではないのです。神が主権を持って働き関わっておられるので、自然の法則が
有効に働く事ができるのです!
●しかし、神の主権という事を考える中で、ルカが一番読者に知って欲しい最重要点は、イエス・キ
リストの生涯と働きを通して実現した罪の贖いは、まさしく神の主権による計画によるものであった
という事です!その具体的な例を挙げましょう。ルカは、「人の子は、定められたとおりに去って行きま
す」(ルカ 22:22)と記しています!キリストの十字架の身代わりの死による救いは、神が主権によって
「定められた」計画によるものでした!ルカが書いた使徒の働きは、歴史における神の主権が次のよう
に述べられています。「あなたがたは、神の定めた計画と神の予知とによって引き渡されたこの方を、
不法な者の手によって十字架につけて殺しました」(2:22-24)、と!イエス・キリストを送られ、十
字架の死によって人の罪を赦す道を開かれ、それが神の確かな救いの御業であるという事を復活に
よって証明したのは、全て「神の定めた計画と神の予知とによ(る)」ものなのです!これを、神学者
であるルカは、この世界の歴史における神の主権の御業であると福音書と使徒の働きの中に記してい
ます!
3)万人の福音書を書くこと(7:2/他)
―ユダヤ人のみならず、異邦人に対しても―
●ルカが読者に知って欲しい極めて重要な神学的な真理の二番目は、罪の贖いである救いは、世界中
の人々に及ぶものであるという事です!すなわち、ルカが記した福音書は、万人のために書かれた
という事です!ルカは、救いはユダヤ人だけでなく、全ての人に提供されているものであるという事
です!(使 10:34-48、14:24-27、15:12-19)ルカは、異邦人であるローマの「百人隊長」(ルカ 7:2)の
信仰や、イエス様が「神の国で食事をする人」(14:15)に異邦人が招かれているという例え話を通して、
異邦人に神の救いがもたらされる事を記しています!ルカは彼自身が異邦人でしたし、彼が書いた宛
先のテオピロも異邦人でした(使 1:1)。
―各民族にいるあらゆる人々に対して―
●しかし、それだけに留まりません。更に、福音がユダヤ人、サマリヤ人、また異邦人を含む全ての民族
に対して提供されているだけでなく、それぞれの民族の中のいる女性に対しても、売春婦に対しても(7:
36-50)、社会からのけ者にされている人々に対しても(15:11-32/16:19-31)、感染するため人々に
接触してはならないと定められていたツァラートに冒されている人々に対しても(17:11-19)、悪霊に
憑かれている人々に対しても(4:33)、売国奴と呼ばれて最も忌み嫌われていた職業についていた取
税人たちに対してもでした!(19:1-10)
―4―
―系図に至っても―
●また、ルカは、福音が世界の全ての人々に提供されている事を、イエス・キリストの系図によっても
記しています!マタイはその福音書を第一にユダヤ人たちに対して書きましたので、その記した系図
はユダヤ人の先祖であるアブラハムから始めてイエス・キリストに至っています。ところが、ルカが記し
た系図は、イエス・キリストから初めて、全人類の祖先に当るアダムに至っています!アブラハムが
最後に来ていません。アダムが最後に来ています。異邦人を意識しての系図の説明の仕方をルカ
は採用しているのです!
4)救いをはじめとする教理を書くこと(18:14/他)
―重要教理/義認そして十字架―
●ルカの福音書で最も強調している点はイエス・キリストを通してもたらされる福音である事は言
うまでもありませんが、ルカは、他の重要点も見逃してはいません。前述しました歴史を支配しておら
れる神の主権や異邦人にも提供された福音という事のみならず、神ご自身の罪人に対する優しくまた
あわれみ深いお心を記しています!ルカ 15 章に記された一匹の羊、一枚の硬貨、そして放蕩息子の
例え話に出てくる神の罪人に対する神の深い愛と憐れみの心が見られます!ルカの福音書に見られ
る救いの教理は大変重要な意味を持っていますが、その中でも特に、イエス・キリストが取税人に対
して、「この人が、義と認められて家に帰りました」(18:14)、という義の宣言に見られる義認の教
理が際立っています!(参/7:36-50、15:11-32、19:1-10)。それを裏付けるように、ルカの福音書
は、キリストの十字架に焦点を当てています!ルカの福音書は全部で 24 章ありますが、9 章以降、最
終の 23章に至るまで、福音書の半分を越える多くのページを割いて、読者の目を十字架の義認の御
業に向けさせています!
―他の重要教理―
●また、ルカは、他の福音書の著者よりも、聖霊の働きにスポットを当てています!そしてまた、ルカは、キリ
ストの再臨についても主ご自身の教えを記録しています!そしてそれらの教理に加えて、実践神学も記し
ています。実践神学って何でしょうか?それは、礼拝、赦し、あわれみ、感謝、祈りなどです。そしてそれ
に加え、弟子訓練の概要がルカの福音書には記されています。
[2]牧師としてのルカ(ルカ1:3c-4)
●今回のメッセージの最後の第二ポイント移りましょう。3 節の最後の部分から 4 節の御言葉を紐解きます。
このルカの序文の部分には、彼の牧師としての心が表れています!
1)テオピロという人物(1:3c)
●彼が記したこの膨大なルカの福音書と使徒の働きの両書巻は、「尊敬するテオピロ殿」という一
個人へ宛てられたものです!使徒パウロが書いた 13 書簡よりも多い量で、新約聖書の四分の一
以上も占める膨大な量なのですが、一個人へ宛てて書かれています!「テオピロ」という人物に関する
詳細な情報はありません。(続く)
―5―
しかし、この人物を知るわずかな情報は、この「尊敬する」という言葉にあります。これと同じ言葉が、使徒の
働きに三回記されていますが、「閣下」(23:26、24:3、26:25)という言葉に訳されています。「ペリクス閣下」
とか「フェスト閣下」という風に使われています。ギリシャ原語では同じ言葉ですが、日本語に訳される時には、
その文脈によって「尊敬する」とか又は「閣下」という違う表現に訳されています。という事は、この「テオピロ」
という人物がローマ社会の中でかなり高い地位についているという事が理解できます。
2)テオピロという一人の魂へ届けられる福音(1:4/他)
●「テオピロ」という人物は、4 節によりますと、イエス・キリストに関するある程度の「事がら」について「すでに
教えを受け(て)」いたという事が分かります。しかし、それらの「教え」の中のある部分は不確かで、不完全な
知識のままでした。それゆえ、ルカは、「テオピロ」に対して「正確な事実」を「よくわかっていただきたい」
と願ってこの福音書と使徒の働きとを記して献上したのでした!「正確な事実」の「正確な」という意味
は、「正確な」という意味の他に、「信頼できる」または「確かな」という意味があります。ルカは、「テオピロ」
をはじめ、この書巻を読む全ての人々に対して、イエス・キリストの生涯とその福音について自分が
書いた内容に誤りがなく、正確で、信頼できるものであるという事を伝えています!
●「テオピロ」という人物が、キリスト教に関心のある未信者か、それとも入信したばかりの信者かどうかと
いう事は書かれていませんの、私たちに分かる由はありません。いずれにしても、ルカの徹底した調査や詳
細な記述によって書き上げ、「テオピロ」個人へ献上しているというところは、彼が限りない牧師の
心を持っているという事を示しています!ルカは聖霊から力を頂く事によって努力を重ね、一人の
人物に対して、主イエス・キリストに関するより精密で確かな知識を提供しているのです!それは紛
れもなく、ルカが「テオピロ」という一人の魂を大切に導き牧しているという事を表しています!そ
れと同じような牧会者の心というのは、使徒 18 章後半に記されているプリスキラとアクラにも見られた事で
した。聖書は次のように、二人の牧会の情熱を伝えています。
18:24 さて、アレキサンドリヤの生まれで、雄弁なアポロというユダヤ人がエペソに来た。彼は聖書に通じ
ていた。 18:25 この人は、主の道の教えを受け、霊に燃えて、イエスのことを正確に語り、また教えてい
たが、ただヨハネのバプテスマしか知らなかった。 18:26 彼は会堂で大胆に話し始めた。それを聞いてい
たプリスキラとアクラは、彼を招き入れて、神の道をもっと正確に彼に説明した(18:24-26)。
●アポロは学識があり、雄弁家であり、また聖書に通じている伝道者でした。アポロは「イエスのことを正確に
語(って)」はいますが、「ただヨハネのバプテスマしか知(りません)」でしたので、キリストの福音に対する理解
は限られたものでした。そこで、プリスキラとアクラが彼を自分たちの家に招き入れ、「神の道をもっと正確
に・・・説明した」のでした。イエス・キリストの死と復活の重要性を伝え、聖霊降臨によってペンテコステの日
に教会が誕生した事についても教えました。プリスキラとアクラには一人の魂を大切にして教え導くと
いう牧会の情熱が見られましたが、それはまさにルカにも見られるものでした!
―6―
3)テオピロの背後にいる全世界の魂へ届けられる福音
●ルカは、当初一人の人物にこの福音書を書いたのですが、神の驚くべき摂理の中で、それが全世
界の人々が読めるように、聖霊がその読者の範囲を確実に広げて行かれました!愛する医者であ
り、歴史家であり、神学者であり、そして牧者であるルカは、人類の歴史を通して、数え切れないほ
ど多くの魂の救いと建徳のために、神の器として用いられるという特権にあずかったのでした!
【まとめ】 それでは、今回のメッセージのまとめをしましょう。
●今回は、ルカの福音書の序文の最終回である三回目のメッセージを取り次ぎました。第一に、ルカは
「順序立てて」福音書を「書(き)」ましたが、それは、ルカがイエス・キリストの偉大な生涯を神学者とし
て書き記した事を示していました!時系列に沿って記し、歴史における神の主権を記し、ユダヤ人の
みならず全世界の人々の福音である事を記し、救いをはじめとする重要教理を書き記していました。
●第二に、ルカは、「テオピロ」という一人の魂に対して、ルカの福音書と使徒の働きという膨大な量の書簡
を献上しました。一人の魂を愛し、一人の魂を導き牧するという牧師として、イエス・キリストの福音
書を書き記しました!綿密な調査や詳細の記述は聖霊から頂く力による努力の積み重ねのゆえに
可能でしたが、それは読者にキリストの救いの恵みにあずかって欲しいという牧者の心の表れでし
た!
【適 用】 それでは、今回のメッセージを適用しましょう。
●一番目です。あなたは「神学」という言葉にアレルギーを持っていませんか?正しい神学のゆえに、
教会は初めてその土台に聖書の教えを据える事ができるのだという事を知る事ができましたか?あ
なたの牧師像の中に、神学者というイメージはありましたか?あなたは、あなたに毎週礼拝メッセー
ジとアッパールームテキストを通して御言葉を取り次いでいる牧師が、神学者として成熟して行く事
を心から願って祈り支えていますか?あなたは、自分が属している教会が健全な神学と教理によっ
て深く御言葉に根ざす教会になる事を願って祈っていますか?
●二番目です。あなたは一人の魂を愛していますか?あなたは一人の魂の救いや成長を願ってい
ますか?また、あなたは一人の魂に仕える心を持っていますか?自分は牧師ではないけれど、牧者
の心、羊飼いの心を持って人々を愛し、人々に仕える事を願っていますか?そのような点を吟味しな
がら、自分の内側を聖霊によって探って頂きましょう。
【締めの御言葉】
■「神の定めた計画と神の予知とによって引き渡されたこの方」(使2:23a)。
■「羊を百匹持っている人がいて、そのうちの一匹をなくしたら、その人は九十九匹を野原に残し
て、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか」(ルカ15:4b)。