ルカの福音書講解説教(1)/メッセージ原稿/『序文』(その 1)/2016.03.13

『最も偉大な生涯の物語!』

―自分を隠して、キリストに光を当てる!ー 《ルカ 1:1-4/今回は 1:4、24:44、使徒 1:1/他》

【序 論】

ルカの福音書講解説教(1)/メッセージ原稿/『序文』(その 1)/2016.03.13

『最も偉大な生涯の物語!』

―自分を隠して、キリストに光を当てる!ー 《ルカ 1:1-4/今回は 1:4、24:44、使徒 1:1/他》

―福音書を講解説教するに至った背景―

●私はマルコの福音書のアッパールームテキストを作成しながら、「ああ、私は福音書を深く理解して いなかったのだな」という事をつくづく思わせられています。それは、牧師と共にアッパールームテキストを学ぶ 小牧者の皆さんも同じ感想を持っているのでないかと思います。それから、2010 年に日本語に翻訳された ジョン・マッカーサー牧師の「イエスの福音」を再読しながらつくづく感じさせられた事も、同じく「ああ、私は 福音書自体を深く理解していなかったのだな」という点でした。新約聖書の約半分近くは福音書が占め ており、それを基盤にして、後の使徒の働きや書簡や黙示録が記されています。福音書は新約聖書理解 の基本ですので、私は基本に戻る事にしました。福音書を確かに把握するなら、次にローマ人への手紙 をはじめ、それ以降の書簡からメッセージを取り次ぐ事ができます。

―案外と知らない聖書の“常識”・・・?!―

●ところで、私は皆さんへ二つの質問を投げ掛ける事にします。一つ目ですが、四福音書の中で一番長 い福音書はどれでしょうか?二つ目ですが、新約聖書の著者で、誰が最も多くの量を書いているでし ょうか?案外と知っているようで知らない私たちの聖書の“常識”を確認しながら、これからある程度長い期 間を掛けてルカの福音書を学んで行く事にしましょう。今回はその初回のメッセージですので、ルカの福音 書が書かれた背景や特徴などを理解するための序文を取り扱います。主題は、『最も偉大な生涯の物 語!』です。序文の全体のアウトラインと今回のアウトラインは下記の通りです。

【序 文の全 体のアウトライン】

◎序論/ルカの福音書の特徴/今回

[1]医 者(コロサイ4:14)/次回以降

[2]歴史家(ルカ1:1-3a)

【今 回のアウトライン】

◎序論/ルカの福音書の特徴

1)ルカの福音書の容量 2)ルカの福音書の期間 3)ルカの福音書の特色 4)ルカの福音書の穏顕

[3]神学者(ルカ1:3b) [4]牧 師(ルカ1:4)

5)ルカの福音書の著者 6)ルカの福音書の執筆年代と場所 7)ルカの福音書の宛先 8)ルカの福音書の目的とテーマ

―1―

【本 論】 それでは、今回のメッセージの本論に入りましょう。 ◎序論/ルカの福音書の特徴
1)ルカの福音書の容量

●先程、私は皆さんへ二つの質問を投げ掛けました。一つ目が、四福音書中で一番長い福音書はど れですか、という事でした。皆さんの答えはどうですか?答えは、ルカの福音書です!「ええ、なぜで すか?だってマタイの福音書でしょう。」という反応が聞こえそうです。「マタイの福音書は 28 章あります が、それに比べてルカの福音書は 24 章じゃないですか?だから、マタイの福音書が一番長いのでは ないですか?」、と。しかし、ページ数を数えてみて下さい。ルカが 67 ページで、マタイが 63 ページで す。また、ヨハネが 55 ページでマルコが 41 ページです。ルカの福音書が福音書全体の 30 パーセント をルカが占めているという事になります。ルカの福音書が、福音書の中では一番長いのです!

●しかも、まだ続きます。二つ目の質問で、新約聖書の著者で、誰が最も多くの量を裂いて新約聖書 の書巻を書いていますか、という質問をしました。さて、誰でしょうか?使徒 1:1 で、「テオピロよ。私は 前の書で、イエスが行い始め、教え始められたすべてのことについて書き」とあります。「前の書」がどの書な のかについては、「テオピロ」という人物名が記された別の書巻を探したらいいのです。その名前はどこにある のかと言いますと、ルカの福音書 1:3 の後半にあります。何と書かれているかと言いますと、「私も、すべての ことを初めから綿密に調べておりますから、あなたのために、順序を立てて書いて差し上げるのがよいと思い ます。尊敬するテオピロ殿。」とあります。という事は、一人の人物が、「前の書」に当るルカの福音書と セットにして使徒の働きを書いたという事になります。

●という事は、ルカの福音書が 67 ページあり使徒の働きが 62 ページありますので、合計して 129 ペー ジになります。新約聖書は全部で 503 ページありますので、この二つの書巻は新約聖書全体の約 26 パーセント、すなわちこの二つの書巻で新約聖書の四分の一を占める事になります。新約聖書の四 分の一を書いている一人の人物がいるという事を知っていましたか?通常、私たちは、使徒パウロが 13 書簡書いているので、彼が一番多い量の新約聖書を書いていると思いがちなのですが、実は、ルカの 福音書と使徒の働きを書いた人物が一番多くの量を書いているという事になります。日本語の聖 書のページ数を余白分を抜いて計算してみますと、何と二ページ弱パウロの書簡の合計がルカの 福音書と使徒の働きの合計よりも少ないのです。意外と理解されていない事実です。私も、今回自分 でページ数を数えてみて初めて知った事なのですが・・・。ですから、このルカと使徒の二つの書巻を書い た人物を通して与えられた影響というものは、新約聖書の四分の一も占めているという事になりま す!新約聖書の著者は 10 人いますが、その誰よりも多く書いているのです!意外な事実です!

2)ルカの福音書の期間

●この二つの書巻を書いた著者は、ルカの福音書のバプテスマのヨハネの誕生から、使徒の働きの最後 のパウロのローマに於ける最初の投獄とそこでの福音宣教に至る期間を取り扱っています。その期間の 年数は、65 年間に及びます。誰よりも長い期間を取り扱っています。そういう意味でも、この二つの 書巻の著者が新約聖書の四分の一を記したという事は十分うなずけます。 ―2 ―

3)ルカの福音書の特色

●そういう事ですので、ルカの福音書と使徒の働きの両方をセットで記す事によって、人類にもたらさ れた罪の贖いの歴史を最も総合的に、また最も包括的にまとめた新約聖書の記述だという事が言 えます!ですから、他の福音書に記されていない、ルカだけが記しているキリストの 7 つの奇蹟だと か、また 7 つのたとえ話があります!そしてまた、ルカだけが、イエス様の誕生に際して四人の人物 (エリサベツ、マリヤ、ゼカリヤ、シメオン)の素晴らしい証しや宣言、またや御使いたちの夜空での 讃美を記しています!デレル・ブロックという聖書注解者は、「ルカの福音書の記述の 40 パーセント 強は、他の福音書に見られないものです」※と語っています。これが、ルカの福音書の特色のいくつか です!

4)ルカの福音書の穏顕(おんけん)

●しかし、誰がこのルカの福音書と使徒の働きを書いたのかは、聖書には記されてはいません!「え え、そうなんですか?だって、ルカの福音書と記されていますし、ルカが著者である事に間違いない じゃないですか?」という声が聞こえそうです。でも、再度言わせてもらいますが、ルカの福音書と使徒の働 きの聖書本文にルカという名前は一つも出てきません。と言うよりも、この二つの書巻の著者が敢えて自 分の名前を記していないのです!隠しているのです!そこには自分の名前を出さない強い意図が あったに違いありません!それは、どういう強い意図であったのでしょうか?それは、著者が自分を背 後に隠す事に満足しており、それによって、中心テーマであるキリストに焦点を当てているのです! キリストご自身が、自分が記す福音書の隅々に行き渡るようにしているのです!そうする事によって、 この福音書に記録として残す歴史や教えが、イエス・キリストの生涯と働きに対する読者の理解を 確かなものとするためです!そこに、この著者のへりくだりを見る事ができます!霊的に成熟した 信仰者の姿です!そして付け加えなければなりませんが、他の三つの福音書の著者たちも、全て自分 の名前を隠しています!記していません!理由は、ルカの福音書と同じように、読者をキリストに 向けさせるためです!福音書の著者たちの素晴らしい品性をそこに見る事ができます!

5)ルカの福音書の著者

―著者が誰かを特定する!―

●さて、それでは、いったい誰が著者なのか、それを特定できる根拠はどこにあるのかを見て行きましょ う。その手立てとなるものが、使徒の働きの中に残されていますので、そこに目を留めましょう。使徒 16:10 で、「パウロがこの幻を見たとき、私たちはただちにマケドニヤへ出かけることにした。神が私たちを招いて、 彼らに福音を宣べさせるのだ、と確信したからである。」と記されています。また、20:6 では、「私たちはピリピ から船出し」とあります。27:1 では、「私たちが船でイタリヤへ行くことが決まったとき、パウロと、ほかの数人 の囚人は、ユリアスという親衛隊の百人隊長に引き渡された」と記されています。この「私たち」という表現が、 使徒 16 章以降最終の 28 章までに何回か出てきます。この「私たち」という書き方は、著者しか書けない 表現ですので、この「私たち」の中に著者がいます!この「私たち」というのは、使徒パウロと行動を共にして いる同労者たちです。 ―3 ―

●これらの同労者たちが使徒の働きの中でどういう人々かをみますと、それらの名前が記されている人々は 8 名います。まずシラス、テモテ、ソパテロ、アリスタルコ、セクンド、ガイオ、テキコ、トロピモです。名前が 記された同労者の中には著者はいません。なぜなら、著者はへりくだって名前を伏せているからで す!となると、名前が出ていなくて、パウロと関わっている同労者は二人しか残りません。一人がテトスで、も う一人がルカです。テトスは年若くして救われ、パウロのもとで育てられながら同労者となって働いていました。 後年には、クレタ島で牧師として主に仕えていました。様々な視点から、テトスがこの福音書と使徒の働 きの著者だという事を取り上げた人物は、歴史の中で誰一人としていません。ところが、ルカは医者 としてパウロの健康状態を見守りながら、終始パウロと行動を共にしていた人物でした。加えて、初 代教会は、ルカがその著者だとする事に何の異議を唱える事もしていません!そのように絞られて くると、この二つの書巻の著者がルカであるという事に、疑問を挟む余地は全くありません!

●ルカは使徒ではありませんので、使徒パウロの覆いのもとにこの二つの書が書き上げられて行っ たと理解する事ができます!そういう意味で、全ての新約書巻が書き残されるに当り、使徒が関わっ ていたという事を押えておく事は大切です!そして、勿論、聖霊なる神の霊感によって一つひとつの 書巻に誤りが入らないようにされたのだという事も忘れてはなりません!

―著者は何人・・・?―

●ルカは、使徒 1:15 以降で、イエス様を裏切ったユダの結末についてペテロが語った事を伝えています。そ の中で、ユダが悲惨な死に方をした事が、「エルサレムの住民全部に知れて、その地所は彼らの国語でア ケルダマ、すなわち『血の地所』と呼ばれるようになった」と記しています。「彼らの国語で」とはユダヤ人の 言語を指しており、よってルカはユダヤ人ではなく異邦人であるという事が分かります。

●また、コロサイ 4:10-11 では、アリスタルコとマルコとユスト呼ばれる同労者たちだけが「割礼を受けた人」 たちで、彼らはユダヤ人だと記していますので、その他のエパフラスやルカやデマスやアルキポという同労者 たちが全て異邦人だという事がその文脈で分かります。それゆえ、ルカは異邦人だと断定できます。ルカは パウロの異邦人伝道旅行を通して救われ、やがてパウロの同労者になって宣教旅行を共にするようになった と考えられます。

―著者の職業―

●ルカについては他の書簡でも三ヶ所だけしか取り上げられていませんが、コロサイ 4:14 では「愛する医者 ルカ」と記されています。彼が使徒パウロの同労者となる前は、彼の職業が医者であったという事が分かりま す。彼は医術を学び、教養を身に着けていました。それゆえ、格調高くまた正確な歴史書を残すための素 養が十分に備えていたという事が理解できます。

6)ルカの福音書の執筆年代と場所 ―執筆年代―

●ルカが記した二つの書巻の中には、紀元後約 61 年以降の重要な出来事が一切記されていないと ところから、その二つの書巻が記された年代は、紀元後 60 年から 61 年が最も妥当だと言えます。 ところで、紀元後約 61 年以降の出来事とはどういうものがあったでしょうか?(続く) ―4 ―

それは、紀元後 62 年頃に起きたエルサレム初代教会の責任者であるヤコブの殉教の死が記されて いません。このヤコブは使徒ヤコブではなくて、イエス様の兄弟であるヤコブです(使徒 21:18)。また、紀元 後 60 年代半ばに起こった、ローマ皇帝ネロによるペテロやパウロの殉教の死についても何も触れて いません。そして、紀元後 70 年に起こったローマ軍によるエルサレム陥落の記述もありません。それか ら、パウロが記した一連の書簡についても何も触れていません。パウロの書簡がまとめられて広く諸 教会に行き渡って行く年数を考えると、ルカの福音書は紀元後 60 年から 61 年に書かれたであろう と考えられます!

―執筆場所― ●執筆場所は明確に特定できませんが、恐らく、パウロがローマで投獄された時に一緒にいた間に(コロ

4:14/ピレ 24)、ルカの福音書と使徒の働きを書いた可能性が高いと思われます。

7)ルカの福音書の宛先

●ルカの福音書の宛先は、ルカ 1:3 と使徒 1:1 に記されている「テオピロ」という人物です。ルカ 1:3 で詳 しく説明しますが、彼はローマの高官だと考えられます。そして、更に、「テオピロ」の延長線上にいる多くの 異邦人宛てに書かれている事は言うまでもありません。異邦人が読者ですので、異邦人が分からない「ア バ」(お父ちゃん)、「ラビ」(律法教師)、「ホサナ」(「今、救って下さい」/神をたたえる時の言葉)、「ゴルゴタ」 (「どくろの地」)というアラム語の表現を用いる事を避けています。また、異邦人宛てですので、ユダヤ人の習 慣(22:1、7)やイスラエルの地理(1:26、4:31、23:51、24:13)に関する説明も加えています。

8)ルカの福音書の目的とテーマ

―目 的―

●最後の重要なポイントですが、ルカの福音書の目的とテーマを取り上げましょう。ルカが福音書を書いた 目的は、1:4 にありますように、テオピロをはじめ異邦人読者たちが、「すでに教えを受けられた事がらが 正確な事実であることを、よくわかっていただきたい」ためでした!テオピロも他の異邦人読者たちも、 イエス・キリストについては「すでに教えを受け(て)」いるのですが、それらの「教え」が必ずしも明確ではなくま た不完全でしたので、この福音書によって「正確な事実」を知って欲しかったので書いたのでした!そ れが、ルカの福音書が書かれた目的です!

●「正確な事実」の中心は何なのでしょうか?ルカの福音書や他の福音書は、それについて何と語 っているでしょうか?まずは、ルカ 24:44 に目を留めましょう。イエス様は、復活後にエマオの途上で、二人 の弟子たちに対して、「わたしがまだあなたがたといっしょにいたころ、あなたがたに話したことばはこうです。わ たしについてモーセの律法と預言者と詩篇とに書いてあることは、必ず全部成就するということで した。」と言われました。「モーセの律法と預言者と詩篇」というのは、旧約聖書を指しています。という事は、 旧約聖書も新約聖書も、イエス・キリストに焦点を当てているという事です!また、ヨハネ 5:39 では、 ユダヤ人の敵対している宗教指導者たちに対して、「あなたがたは、聖書の中に永遠のいのちがあると思う

ので、聖書を調べています。その聖書が、わたしについて証言しているのです。」と語られました。(続く) ―5―

パリサイ人や律法学者やサドカイ人たちは旧約聖書を調べているのですが、実に、「聖書」はイエス・キリス トについて「証言しているのです」!旧新約聖書の中心点は、イエス・キリストです!そして、聖書の 中でも、特に福音書が、イエス・キリストの偉大な生涯とお働きに最も明確に焦点を当てて記され ています!その福音書の中でも、特にルカの福音書が最も長く、また最も綿密且つ最も完結した 形で記されています! ●聖書全体がイエス・キリストに焦点を当てている事は分かりますが、イエス・キリストがなされた何に 一番焦点が当てられているのでしょうか?それは、神が永遠の昔から、失われた罪人を永遠の地獄 から救う事を目的として、最愛の御子イエス・キリストをこの世に送られて身代わりの十字架に架け られ、人々の罪を贖うという点に焦点が当てられています!それは、偉大な贖いの物語で、栄光に 満ちた、人々の心を揺さぶらずにはいられない神の無限の愛の物語です!その救い主を信じ受け 入れる者全てが、罪とその刑罰である永遠の死の滅びから救われるという恵み深い物語です!そ

の物語は、それ以前にもまたそれ以後にも類を見る事のない永遠に続く真の物語です!

―テーマ―

●それを受けて、ルカの福音書の主要なテーマは罪人への神の愛です!それが、ルカの福音書では、 次のように表されています。「人の子は、失われた人を捜して救うために来たのです」(ルカ 19:10)、 と!特に、ルカ 15 章では、失われた一匹の羊、失われた一枚の銀貨、そして失われた息子(放蕩息子) の譬え話が、イエス様によって語られています。その譬え話の後で、イエス様は何と言われたでしょう か?「それと同じように、ひとりの罪人が悔い改めるなら、悔い改める必要のない九十九人の正しい人 にまさる喜びが天にあるのです」(15:7、10)、と記されています!また、「『この息子は、死んでいたの が生き返り、いなくなっていたのが見つかったのだから。』そして彼らは祝宴を始めた。」(15:24)、と伝 えています!救いの喜びです!罪と死からの解放の喜びを伝えています! ●そしてまた、ルカは、特に、ユダヤ人社会からのけ者にされた人々に目をやっています!異邦人に 対し、サマリヤ人に対し、女性に対し、取税人に対し、そしてツァラートに冒された人に対してです。神 は、悔い改めた罪人に対して赦しをお与えになります(3:3,5:20-25、6:37、7:41-50、11:4、12:10、 17:3-4、18:13-14、24:47)。そして、その結果もたらされる「喜び」を強調しています(1:14,44,58、 2:10、6:23、13:17、15:5-10,22-32、24:52)。また、聖霊の働きや(1:15,35,41,67、2:25-27、3: 16,22、4:1、14、18、10:21、11:13、12:10,12)、イエス様の祈りを重視して記録しています(3:21、5: 16、6:12、9:18,28-29、11:1、22:32,40-46)。以上が、ルカの福音書の目的と主要なテーマです。※2 【まとめ】 それでは、今回のメッセージのまとめをしましょう。 ●それでは、今回の序文のまとめをしましょう。ルカが記したルカの福音書は四福音書の中でも最も多 い分量を占め、使徒の働きも合わせると新約聖書の四分の一にも達するものでした。しかし、新約 聖書で最大の分量を占めているにもかかわらず、ルカ自身は自分を隠し、イエス・キリストに最も光 が当たるように読者に提示しています!ルカの福音書は、罪人に対する神の偉大な贖いの物語が、 最も総合的にまた最も包括的にまとめられている書巻です!私たちは、これから長期間にわたって、 人類史上かつてなかったイエス・キリストの『最も偉大な生涯の物語』を学んで行く事になるので す! ―6―

【適 用】 それでは、今回のメッセージを適用しましょう。

●今回は、ルカの福音書の講解説教の初回で、序文に当る部分を学びましたが、あなたの信仰生 活に適用する点はあったでしょうか?あなたの人生において、あなた自身が隠れる事によってキリス トの栄光が前面に現されているでしょうか?あなたはこれからイエス・キリストの『最も偉大な生涯の 物語』を学ぶに当って、溢れる期待感に引き上げられたでしょうか?それでは、この偉大な主に期待し て、それぞれが祈りの時を持ちましょう。

【結 論の御 言葉】

人の子は、失われた人を捜して救うために来たのです(ルカ19:10)。

[参考文献]

※1 ジョン・マッカーサー、『マッカーサー新約注解書/ルカの福音書』(ムーディー出版、2009)(John MacArthur, The MacArthur New Testament Commentary, Luke 1-5, The Moody Bible Institute of Chicago, 2009, p.1)

※2 同上、p.4.

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