時宜メッセージ(2)/『安倍元首相殺害事件&旧統一教会の教え』/2022.09.04

旧統一教会と安倍元首相

『旧統一教会の創造原理・堕落論・復帰原理を斬る!』

―「韓国はアダム国家であり、日本はエバ国家です」と聖書を私的解釈する文鮮明―

《創世記3:1-7/1テモテ2:13-15》

【前 置】

●前回に引き続き、今回も、安倍元首相殺害事件に端を発した旧統一教会の実態に目を留め、そこからキリスト教異端の聖書解釈の誤りや、それに基づく利得の手段や手法を浮き彫りにします。そして、福音主義の立場からそれらの誤った教えを正し、その違いをよく判別できない方々の理解を助け、今後の伝道に生かして行けたらと願っています。

●今回は、『旧統一教会の創造原理・堕落論・復帰原理を斬る!』という主題で、また「『韓国はアダム国家であり、日本はエバ国家です』と聖書を私的解釈する文鮮明」という副題でメッセージを取り次ぎます。文鮮明が創世記3:1-7をどう解釈して適用しているのか、また一方、使徒パウロが1テモテ2:13-15で、その創世記の記述内容をどう解釈して適用しているのか、その両者を比較して、聖書の真理を探る事にします。

【前回のアウのトライン】

◎旧統一教会の先祖解怨を斬る!

[1]文鮮明の聖書教理と適用の実態/その1(マタイ6:20/他)

[2]文鮮明の聖書教理と適用の吟味/その1(出エジプト20:5/他)

【今回のアウのトライン】

◎旧統一教会の創造原理・堕落論・復帰原理を斬る!

[1]文鮮明の聖書教理と適用の実態/その2(創世記3:1-7)

文鮮明の「創造原理」・「堕落論」・「復帰原理」について(創世記3:1-7)

ア)「韓国がアダム国家で、日本がエバ国家」という文鮮明の聖書解釈(創世記3:1-7)

イ)エバはサタンと不倫し、次にアダムと性関係を持ち、

悪の血統が相続されたという文鮮明の聖書解釈(創世記3:1-7)

ウ)「祝福」と呼ばれる「合同結婚式」で結ばれた信者からは

「無原罪の子」が生まれるという文鮮明の教え

[2]文鮮明の聖書教理と適用の吟味/その2(創世記3:1-7/他)

1)文鮮明の「創造原理」・「堕落論」・「復帰原理」を斬る(創世記3:1-7)

ア)「韓国がアダム国家で、日本がエバ国家」という文鮮明の私的解釈の誤り(創世記3:1-7)

イ)エバはサタンと不倫し、次にアダムと性関係を持ち、

悪の血統が相続されたという文鮮明の聖書解釈の誤り(創世記3:1-7)

ウ)「祝福」と呼ばれる「合同結婚式」で結ばれた信者からは

「無原罪の子」が生まれるという文鮮明の誤った教え

―1―

2)聖書の「創造」・「堕落」・「回復」の教えと適用に学ぶ(創世記3:1-7/1テモテ2:13-15)

ア)神の創造の秩序の中に定められた男女の役割(1テモテ2:13/創世記3:1-7)

イ)人間堕落の最終責任を神の創造の秩序から見極める(1テモテ2:14)

ウ)一人の女性が人類を罪に陥れたが、女性たちには人々を神へ導く特権がある(1テモテ2:15)

◎本 論:旧統一教会の創造原理・堕落論・復帰原理を斬る!

[1]文鮮明の聖書教理と適用の実態/その2(創世記3:1-7)

文鮮明の「創造原理」・「堕落論」・「復帰原理」について(創世記3:1-7)

●前回のメッセージで、旧統一教会の主要な教えの一つ目に、“先祖解怨”によって先祖を救う事ができる、二つ目に義人や聖人は天国に行け、善行が人を天国に入れる事ができる、三つ目に地獄の先祖の救いと現世における天国入籍証を得るには高額献金が必要である、という三点をとりあげました。今回のメッセージでは、旧統一教会の四つ目の教えである「創造原理」・「堕落論」・「復帰原理」について取りあげます!これらの三つの点は、殆ど全てが聖書からヒントを得、文鮮明が独自に旧統一教会の教理に変更して構築した教えです!(別紙資料を提示)

ア)「韓国がアダム国家で、日本がエバ国家」という文鮮明の聖書解釈について(創世記3:1-7)

●韓国のキリスト教系放送局、CBSテレビのソン・ジュヨルという記者がいますが、旧統一教会をキリスト教の異端として警戒して取材を続けている方です。韓国における旧統一教会は日本とは大きく異なる存在だと、次のように説明しています。

・現在、旧統一教会は、単純なカルトというより宗教と産業が結合した“宗産複合体“の性格が強い。『統一グループ財団』があり、小・中・高校、大学まであります。彼らは『天一国(てんいちこく)』という宗教国家を目指し、国旗も国歌も憲法も作っています。バチカンのようなミニ宗教王国をイメージしています。その建設資金に日本の信者の献金が使われています!日本の信者は、献金の額などで、韓国の信者よりひどい扱いを受けています。その背景には、統一教会の創設者、文鮮明の次のような教えがあります。

・「韓国がアダム国家で、日本がエバ国家」という言葉が、文鮮明総裁の“お言葉”に大変よく出て来ます。これは教会内部では、もう基本常識となっています。文鮮明は、エデンの園で禁断の実を先に口にし、それをアダムに食べさせたエバに重い罪があると解釈。罪を犯したエバを日本に、エバによって堕落させられたアダムを韓国に重ね、信者たちに教えを説いているのです。日本の信者には、「先祖が余り多くの罪を犯したせいで、子孫が苦しんでいるんだ、と。だから、その罪を帳消しにしないといけないんだ」、と。すなわち、歴史的に日本が犯した植民地支配の罪を帳消にする。つまり、先祖の犯した植民地支配という罪を償うため、日本人信者はあらゆる献金をして先祖解怨をし、教会活動に参加して懺悔し、日本という国家が犯した過ちを反省して償うんだ、という気持ちで献金をしなさいと教えたんです。

―2―

●それと同様に、北海道大学大学院文学研究院の櫻井義秀教授は、教典である「原理講論」や旧統一教会と日本の政治家との関わりについて、次のように解説し、また疑問を投げ掛けています。

「原理講論に韓国語版と日本語版があって、韓国語版には植民地支配がいかにひどいものだったかが書かれていて、日本語版にはそれがない。・・・“恨みを解く”というのが統一教会の本質なんです。・・・植民地時代の民族的恨みを解く事として、日本で資金を調達してそれを韓国に持って来て世界的な活動に使う。これが統一教会の本質を成しているんだと思う」。日本の植民地支配への恨みを日本から献金を巻き上げる事で果たしている旧統一教会。だとすれば、日本の保守的な政治家たちとは相容れないはずである。

●文鮮明の“お言葉”をまとめた本があります。広辞苑並みの厚さなんですが、「天聖教」(てんせいきょう)という経典です。今回のメッセージの主題にお用いている文言ですが、「創造原理」、「堕落論」、「復帰原理」という教えが三本柱として据えられています。私たちが入門コースで学んでいる「創造」・「堕落」・「回復」に相当します。ですので、文鮮明はこのキリスト教の教義を巧みに利用して独自の教えを構築しているのです!勿論、その中身は聖書から全く掛け離れたものです!前回のメッセージでお伝えしましたように、文鮮明が第一級の宗教的詐欺師と呼ばれるゆえんが、ここからもうかがえます。信者は、「天聖教」という経典を最低1冊は、自分の一生の宝として購入すると言います。ちなみに、一冊430万円です。この中に、文鮮明氏の対日観についての本音と旧統一教会の本質が記されています。表現は非常に露骨で不快感をおぼえるものですが、我慢してお聞きくださるようお願いします。耳を疑うような聖書解釈で、その裏付けは聖書にはどこにも記されていません!

韓半島は何かと言えば、男で言えば生殖器です。半島です。島国は女性の陰部と同じです。日本が1978年から世界的な経済大国として登場したのは、エバ国家として選ばれたので日本はすべての物資を収拾して(取り締まって)、本然(本来)の夫であるアダム国家、韓国にささげなければならないのです。

●それと同じ意味なのですが、次のように異なる表現でなされています。

韓国はアダム国家であり、日本はエバ国家です。なぜ日本がエバ国家なのでしょうか?それは、日本が島国だからです。島は、いつも陸地を思慕するのです。海は、女性を象徴するでしょう。それゆえ、島国は女性を象徴するのです。これが韓半島と日本を中心として成されたのです。(原理講論/207-271, 1990.11.11)

イ)エバはサタンと不倫し、次にアダムと性関係を持ち、

悪の血統が相続されたという文鮮明の聖書解釈(創世記3:1-7)

●櫻井義秀教授はまた、「霊と金」(新潮社/新潮新書)という著書の中で、前述しました「天聖教」に記された「創造原理」・「堕落論」・「復帰原理」を取り上げ、次のように解説しています。

・「創造原理」では、宇宙の根本原理、神の創造目的が説かれ、「堕落論」では不幸の原因である原罪の真相が解き明かされる。(続く)

―3―

創世記において、エバが善悪を知る木の実を蛇にそそのかされて食べ、その実をアダムにも食べさせると目が開き、二人は裸である事に気づいた。神は、取って食べるなという神の戒めを破ったので、二人を楽園から追放したという、あの箇所である。文鮮明は、蛇とは、後にサタンとなる、堕天使にして元天使長のルシファー(旧統一教会ではルーシェルという)であり、人類始祖のエバがそそのかされて食べた禁断の果実とは、ルシファーとの禁断の愛であったと断じる。神様はアダムが一人でいては寂しかろうと、アダムのあばら骨からエバを造ってくれたのであるから、エバはアダムの伴侶である。しかるに、エバはルシファーと不倫をおかし、次いでアダムとも慌てて性関係を持つなど堕落した。そして、サタンからエバ、エバからアダム、人類の始祖から子孫たる全人類に神に背いた悪の血統が相続された。人間が罪を犯すのは、サタンの血をひく末裔(まつえい/子孫)のゆえとされる。

・もちろん、このような堕落の真相やそれが原罪だといった説明は、聖書に全く書かれていない。では、何を根拠として・・・?実は、文鮮明がイエスや神から直接聞き及んだ話だという。・・・神は人間を神の側に取り戻す計画を考えられたそうだ。救世主の派遣である。旧統一教会によれば、イエスは人間の娘をめとって、善なる子孫を残す予定であったが、人間の不信により十字架で殺害された。そこで神は計画を変更せざるを得ず、イエスを天にあげられ、イエスの復活を信じるもの達に霊的救済のみを約束されたのだとする。しかし、神は人類の肉体も含めた完全な救済、すなわち復帰の原理をお考えになり、人類に再臨の主を遣わした。その再臨の主こそ何を隠そう、「私である」というのが文鮮明の言葉である。・・・しかし、彼の母がマリアのように彼を処女懐胎、すなわち無原罪でみごもったという話はない。

ウ)「祝福」と呼ばれる「合同結婚式」で結ばれた信者から

「無原罪の子」が生まれる文鮮明の誤った教え

●櫻井教授は、引き続き次のように解説しています。

・さて、普通に人間として生まれた再臨の主は、私たちをどのようにして救済してくれるのだろうか?・・・ここで登場するのが有名な「合同結婚式」である。「祝福」とも呼ばれ、文鮮明が旧統一教会員同士をその場で指名し、或いは写真を見てマッチングする。信徒は、どんな相手であっても、再臨の主が選んでくれた最高の伴侶として結婚する。このような家庭から「無原罪の子」が生まれるとされる。文鮮明夫妻を真の親とする信者の家庭によって神の王国は建設され、地上天国が実現されるというのである。・・・なお、生きている人だけではなく、既に霊界に住んでいる人達も先祖解怨という旧統一教会の儀式を通して救われ、祝福を受けている者もいるとの事だ。

・現在、旧統一教会員でも「祝福」だけでは不十分で、140万円相当の献金をして「天一国」と呼ばれる天国への入籍証を持たないと天国には入れないと言われている。ちなみに、「祝福」にも140万円の献金を必要とする。計280万円で天国に行けるのであれば安い買い物だが、旧統一教会員になる事が条件なので、かえって高くつく可能性もある。

[2]文鮮明の聖書教理とその適用の吟味/その2(創世記3:1-7/1テモテ2:13-15)

1)文鮮明の「創造原理」・「堕落論」・「復帰原理」を斬る(創世記3:1-7)

―4―

ア)「韓国がアダム国家で、日本がエバ国家」という文鮮明の聖書解釈の誤り(創世記3:1-7)

●「韓国がアダム国家で、日本がエバ国家」という解釈は直接聖書の教えと関わるところですので、時間を掛けて説明する事にしましょう。「エデンの園で禁断の実を先に口にし、それをアダムに食べさせたエバに重い罪があると」、すなわち最初にエバが堕落しそれによって堕落させられたのがアダムだという解釈は、後程、1テモテ2:13-15と対比して詳しく解説しますが、これは勿論正しい聖書解釈ではありません!日本の旧統一教会の信者に対して、「あなたがたがの先祖が余りにも多くの罪を犯したせいで、つまり、先祖が犯した植民地支配という罪でその子孫が苦しんでいるので、日本人信者はあらゆる献金をし、先祖解怨をし、懺悔し、日本という国家が犯した過ちを反省して償う必要がある。それによって、その罪を帳消しにしないといけないんだ」という事を、聖書は全く教えてはいません!

●韓国を植民地支配した日本の罪を償って補償するのは、日本が国家の責任として行うべき事であり、日本の旧統一教会の信者の一人一人が行うべきものではありません!この点につきましては、歴史的事実を押える必要があります!1965年(昭和40年)に、日本と大韓民国との間において、「日韓基本条約」が締結されました!その条約の内容を簡単に説明しますと、日韓両国における外交関係の開設、「日韓併合条約」の失効などが規定されました。そして、その条約に付随して「日韓請求権協定」が結ばれました。その協定を短く言い表しますと、次のような文言になります。「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」です。

●サンフランシスコ平和条約で、韓国が当事国に入っていなかったために、日本との国交を結べなかったという事情が、その条約締結の背景にあります。それで、当時の韓国大統領である朴正煕(パク・チョンヒ)が、日本との国交を改善するためにこの条約を結んだのです。その中の「日韓請求権協定」によって、日本が韓国に対して、無償による3億ドルと有償による2億ドルの計5億ドル、現代の貨幣価値からしますと1兆8千億円くらいだと言われています。その賠償金を支払う代わりに、戦時中に起こった日韓間の問題に請求を主張する権利を破棄するという国際条約です!それを平易な言葉で表現しますと、「日本政府が賠償金を払いしますので、戦時中の件は許してください」、そして韓国政府が、「はい。分かりました。戦時中の件に関してはお金をこれ以上求めません」という合意内容です。

●朝鮮戦争で壊滅的打撃を受けた韓国は、1960年代前半までは世界の最貧困国で、国内総生産が北朝鮮を下回っていました。しかし、韓国はこの「日韓請求権協定」によって日本から支払われたこの3億ドルの無償提供資金を、韓国経済発展のための国内投資資金に回しました。それによって、韓国はその後半世紀で世界10位圏の経済大国に発展しました!その恩恵を受けた企業に、ヒュンダイ、サムスン、LG、ロッテなどがあり、それら韓国企業が巨大な財閥に成長して行きました!それを、“漢江(ハンガン)の奇跡”と呼んでいます!「漢江」とは、韓国の首都ソウルを流れている長さ514キロに及ぶ大きな川の名前で、その賠償金が韓国の農業の近代化や工業化など、経済発展のための動脈として貢献したという事から、その名称が付けられました。(I see)

―5―

イ)エバはサタンと不倫し、次にアダムと性関係を持ち、

悪の血統が相続されたという文鮮明の聖書解釈の誤り(創世記3:1-7)

●ここから更に、創世記3:1-7の出来事に関する文鮮明の聖書解釈を取り上げて反論して行く事にします。前述しましたように、エバがそそのかされて食べた禁断の果実とは、サタンとの禁断の愛を意味するものでは全くありません!アダムの妻であるにもかかわらずにサタンと不倫をし、次いでアダムとも慌てて性関な関係を持つなどして堕落したというのははなはだ誤った解釈で、この出来事を聖書自身はそう解説してはいません!そのような聖書解釈の根拠は、何と、文鮮明がイエスや神から直接聞いたからだと言っていましたが、それもまた、はなはだしいはったりです!文鮮明の創作はそれだけにとどまらず、救い主イエスは人間の娘をめとって、善なる子孫を残す予定であったが、人間の不信により十字架で殺害されて神の計画は失敗した、というのもはなはだしいこじつけの私的解釈です!それゆえに、霊的救済のみを約束するにとどまったというのも誤りです!肉体を含めた完全な救済、すなわち文鮮明が主張していた「復帰原理」といのは、再臨の主である自分が神によってこの世に遣わされる事によって成し遂げられたというのも、余りにも聖書から逸脱した異端の教えです!

ウ)「祝福」とも呼ばれる「合同結婚式」で結ばれた信者からは

「無原罪の子」が生まれるという文鮮明の誤った教え

・それで、どのように霊的にもまた肉体的にも救済してくれるのかと言いますと、その答えが「合同結婚式」でした!「祝福」とも呼ばれ、再臨の主である文鮮明が、旧統一教会員同士をその場で指名するので、或いは写真を見てマッチングするので、信徒は、どんな相手であっても最高の伴侶として結婚する。そして、その家庭から「無原罪の子」が生まれるとされるのです。聖書はそう教えていません!異端そのものの教えです!文鮮明夫妻を真の親とする信者の家庭によって神の王国は建設され、地上天国が実現されるというのです。この「合同結婚式」の「祝福」には140万円の献金を要し、その上更に140万円相当の献金をして「天一国」と呼ばれる天国への入籍証を取得するというのです!これが、文鮮明の錬金術です!彼は死後、真っ逆さまに、苦しみの場所であるハデス(黄泉)に落とさた事は言うまでもありません!

2)聖書の「創造」・「堕落」・「回復」の教えと適用に学ぶ(創世記3:1-7/1テモテ2:13-15)

●さてここから、ではいったい聖書そのものは、創世記3:1-7をどう解釈しているのか、という点に絞ってその真理を捉えて行く事にしましょう。1テモテ2:13-15がその正しい解釈を提供していますので、その聖書箇所に目を留める事にしましょう。

ア)神の創造の秩序の中に定められた男女の役割(1テモテ2:13/創世記3:1-7)

●女性が夫に従う立場にある事に関して、今日よく聞かれる意見としては次のようなものがあります。それは、神の完全なご計画が崩れた事によるのであって、人間の堕落の結果もたらされたものである、と。あるいは、罪によるのろいの影響はキリストにあって無効にされたので、男性と女性の異なる役割は廃止されるべきである、と主張します。しかしながらパウロは、人間の堕落によって女性には夫に従うという役割が生じたのではなくて、天地創造の最初に神が定められた秩序の中に、女性が助け手としての役割を担っているという事をはっき伝えています!(続く)                     ―6―

1テモテ2:13の冒頭には、原語では「(なぜなら)」という言葉が記されており、その理由がその後に続いて記されています。それは、「アダムが初めに造られ、それからエバが造られたからです」、と!創世記2:18には、神は女性を「ふさわしい助け手」として、男性の後に「造られた」からですと記されています!男性の役割が、優先されている事は明らかです!開きませんが、パウロはこの同じ真理を、1コリント11:8-9でも教えています。

イ)人間の堕落の最終責任を神の創造の秩序から見極める(1テモテ2:14/創世記3:1-7)

●パウロは女性の役割を、人間の堕落から導き出していません!そうではなくてむしろ、パウロはその堕落の出来事を、神の目的を更に裏付ける証拠として用いています!パウロは、この1テモテ2:14で、「アダムはだまされませんでしたが、女はだまされて過ちを犯したのです」、と指摘しています!創世記3:1-7は、エバが頭としての役割をアダムから奪った時に起こった、悲劇的な出来事を伝えています。メッセージの冒頭で、既に読んだ箇所です。

●そのようにして、全ての人間が堕落と裁きの中に落ちてしまいました!エバは生まれながらにして、最終的な責任ある立場に立つよう創造されたのではありません!エバが頭であるアダムの守りや導きの元から踏み出た時に、彼女はとても傷つきやすく無防備な立場に置かれ、そして打ち負かされてしまいました!そして勿論、彼自身は「だまされ(て)」いないとは言え、自分の指導的な役目や役割を果たさず、エバに従った時に、神の秩序に完全な歪みが入り込みました!人間の堕落は、その結果起こりました!これは、単に、神の命令に従わなかったという事だけから来ているのではなく、神が男女のためた定めた役目や役割を犯した事から来ています!アダムがエバよりもより過ちが少ないという事ではなく、またエバがアダムよりもより欠けたところがあるという事でもありません!アダムはエバのようにサタンに欺かれたのではありませんでしたが、アダム自身も神に従わない道を選んだのです!

●二人の関係において、アダムは頭として、最終的な責任を負いました!それゆえ新約聖書は、人間の堕落をアダムの罪に結び付けており、エバの罪に結び付けてはいないのです!(ロマ5:12-21/1コリ15:21-22)ここが、文鮮明の自分にとって都合のいい聖書解釈と大きく異なる点です!そのように、男性が初めから頭として据えられていた事は、神の一貫したご計画でした!それゆえ、男性は、物事がうまく行った時にも、またうまく行かなかった時にも、その責任を負うのです!エデンの園におけるヘビとの遭遇という悲劇的な経験は、実に、神が意図して定めたこの仕組みの知恵を確証しています!

ウ)一人の女性が人類を罪に陥れたが、女性たちには人々を神へ導く特権がある(1テモテ2:15)

●最後の15節に進みましょう。この御言葉の最後に記されている言葉が、「救われます」です。この「救(う)」とい言葉には二つの意味があります。一つ目は、「救う」、「救い出す」、「安全が保たれ、無傷である」、「癒す」、「自由にする」です。二つ目が、「・・・から解放する」です。新約聖書においては、霊的な救いとは関係なく、何度にもわたってこの言葉が用いられています(参/マタ8:25、9:21-22、10:22、24:22、27:40、42、49、2テモ4:18)。

―7―

●パウロはここで明らかに、女性が「子を産むことによって」、罪の報酬から永遠に「救われる」という事を教えているのでは全くありません!もしそうであるならが、それは、恵みと信仰のみによって救われるという新約聖書の教えに反する事になるからです!(参/ロマ3:19-20)「女」とありますが、これは複数形で記されており、文字通りに訳しますと、「女たち」あるいは「女性たち」となります!そして、「救われます」という言葉は、未来形の動詞が用いられていますので、ここでパウロは、エバだけを指して「女」という言葉を用いているのではないという事が分かります!すなわち、ある特定の女性を指しているというのではありません!

●一人の女性が人間の堕落を早め、そして女性たちがその責任を負っています。それにもかかわらず、女性たちは出産を通してその不名誉から救われるというのです!人間を罪へと導いた不名誉から女性たちを救い出し、解放し、自由にするというのです!女性は、男性に比べて決して劣った存在ではありません!なぜなら、女性は、敬虔な子どもたちを養育するという主要な責任を担っているからです!母親たちは、子供たちと遥かに多くの時間を共に過ごします。ですので、父親よりも、より大きな影響を子供たちに与える事ができます!一方、父親は、母親のような子供たちと親密な関係を知りません!と言うのも、母親は、その親密な関係を、子供をみごもった時点から、そしてその出産において、そしてその後の乳児期や幼児期を通して築き上げ、その関係を確立して行くからです!

●パウロの言わんとしている事はこうです!一人の女性が人類を罪に陥れた一方、女性たちは、人間を罪から神を敬う敬虔さへと導く特権をもっているというのです!勿論、それは、全ての女性が子供を産むよう神が願っているというのではありません!ある人々に対しては、結婚しない事さえ願っている事を、パウロは一般論として1コリント7:25-40で述べています!痛みは出産に関わるものですが、それは創世記3:16に記されていますように、一人の女性の罪に対する神からの処罰でした。しかし、子供を養育する喜びと特権というのは、女性たちをその罪による不名誉から救い出すのです!

●人間の堕落において、女性たちに降りかかったこの暗い影を逆転させる事ができるという事、女性たちが神を敬う敬虔な子孫を育てる必要があるという事、それゆえ女性たちは、その使命を果たして行く事が必要であるという事をこの箇所が教えています!その尊い使命を全うするために、女性は、自分たちの救いが据えられている「信仰と愛にとどま(り)」続けねばなりません!そして、「慎みをもって聖さにとどま(り)」続けねばなりません!これはまさに、教会における女性クリスチャンに求められている姿であり、態度であり、振る舞いであり、そこから女性の風格というものが生まれて来ます!女性たちが神を敬って敬虔に生き、敬虔な子供たちを育てる時、それが、自分たちをいかなる劣った状態からも解放するのです!

●この聖書箇所の文脈は1テモテ2:9から始まっていますが、私たちは、神がいかに完璧な男女の役割のバランスを取っておられるのかを知る事ができます!男性は教会と家庭のリーダーです!女性は、大切な子供たちの歩みと成長において、神を敬う者にふさわしい良い影響を与える事ができます!(続く)                                                ―8―

その事を通して、女性は劣っていると言って来るいかなる非難からも守られる事になります!もし教会がこの神の秩序から離れるのであれば、人間堕落の大きな失敗を長続きさせる事となります!

●使徒パウロが聖霊によって霊感されて記した「エバ」そして「アダム」の理解は、文鮮明の「エバ」そして「アダム」に関する聖書理解が誤ったものである事を告げています!文鮮明が残した経典である「原理講論」や「天聖教」は全くもって霊感されておらず、第一級の宗教詐欺師が反キリストの霊によって書いた、野望に満ちた書物にしか過ぎません!私たちは、聖書は聖書で解釈するという大前提を守らねばなりません!聖書に対して私的解釈を加える者は、前回のメッセージでお伝えしましたように、「神がその者に、この書に書かれている災害を加えられ」ます!「また、もし、だれかがこの」聖書の「預言の書のことばから何かを取り除くなら、神は、この書に書かれているいのちの木と聖なる都から、その者の受ける分を取り除かれ」ます!文鮮明が天国の恵みにあずかる事は一切ありませんし、今、彼は、黄泉(ハデス)で苦しみ続けています!それが、彼に対する神の罰です!

【まとめ】 それでは、この度のメッセージをまとめましょう。

●旧統一教会の教えを二回にわたって検証する時をもちました。今回は、特に創世記3:1-7に記されている創造、堕落、そして回復という点において、聖霊の霊感を受けていない文鮮明と受けている使徒パウロの解釈の大きな違いを対比して、聖書を学ぶ機会をもちました。文鮮明は、エデンの園で禁断の実を先に口にし、それをアダムに食べさせたエバに重い罪があると解釈しました!しかし一方、使徒パウロは、エバに重い罪があるのではなく、アダムが二人の関係において頭として立てられているにもかかわらず、神に従わなかったアダムに最終責任者としています!それゆえ新約聖書は、人間の堕落をアダムの罪に結び付けており、エバの罪に結び付けてはおりません!聖書の創造、堕落、回復に関する文鮮明の誤った私的解釈は、「韓国がアダム国家で、日本をエバ国家」とし、日本が犯した韓国への植民地支配の罪の先祖解怨のために、ありとあらゆる献金を旧統一教会の日本人信者へ強要して来ましたし、また今日にでも続けております!

●しかし、神は使徒パウロを通して、一人の女性が人類を罪に陥れた一方、女性たちは、人間を罪から神を敬う敬虔さへと導く特権をもっている事を教えておられます!子供を養育する喜びと特権は、女性たちをその罪による不名誉から救い出すのです!女性たちが神を敬って敬虔に生き、敬虔な子供たちを育てる時、それが、自分たちをいかなる劣った状態からをも解放するのです!そのようにして、神を敬う女性たちは、自分たちに降りかかったこの暗い影を逆転させる事ができるのです!

●その使命を全うするために、「信仰と愛にとどま(り)」、そして「慎みをもって聖さにとどま(り)」続けるのです!そこに、クリスチャン女性の風格が生まれます!創世記3:1-7の聖霊による使徒パウロの解釈と、文鮮明の私的で肉的な聖書解釈とはいかにかけ離れたものでしょうか!人が、いかに正しく解釈された聖書の意味を受け取るか、それがその人の永遠を決定します!文鮮明は、聖書は聖書で解釈するという大原則を完全に無視しています!また、文鮮明は、キリスト教の歴史の中で精査され、精錬されて来た確かな聖書解釈を無視し、利己的で私的な解釈を積み上げ、それに基づいてありとあらゆる霊感商法や開運商法を編み出し、「敬虔を利得の手段」としました!(1テモ6:5)それは、文鮮明が自らに永遠の滅びを招くものでした!           ―9―

【適 用】 それでは次に、今回のメッセージの適用をしましょう。

●文鮮明と使徒パウロの教えを比較する中で、その聖書解釈の歴然とした違いを理解できましたか?聖書に対して私的解釈を施す事と、聖書は聖書によって解釈するという事との大きな違いを理解できましたか?また、キリスト教の二千年の歴史の中で精査され、精錬されて来た確かな聖書解釈を尊ぶ事の重要性を理解できましたか?

●そして、女性の皆さん、あなたは自分の価値をどこに求めていますか?自分の能力ですか、資格ですか、地位ですか、お金ですか、それとも神を敬う敬虔な次の世代を築くために神に仕えている事ですか?子供を産み自分には子供がいるというのが大切な点ではなくて、あなたは、神を敬う敬虔な次の世代を築くために神に仕えていますかというのが大切な点です!あなたはが「信仰と愛にとどま(り)、そして「慎みをもって聖さにとどま(り)続け、そしてその使命を果たして行く事が求められていますが、あなたはそのように神と人とに仕えていますか?

●一方、男性の皆さん、あなたは、使徒パウロが説いた「アダム」から何を学びましたか?家庭の中で、あなたは頭として、率先して最終責任を取っていますか?あなたもパウロが男性に対して「願っていま」したように、「怒ったり言い争ったりせずに、どこででも、きよい手を上げて祈(って)いますか?(1テモ2:8)また、ペテロが「夫たち」に対して勧めていますように、「妻が自分より弱い器であることを理解して妻とともに暮らし(て)いますか?「また、いのちの恵みをともに受け継ぐ者として」妻を「尊敬し(て)いますか?そうする事によって、「あなたがた」夫婦の「祈り」「妨げられ(る)事から守られていますか?(1ペテ3:7) それでは、祈りの時をもちましょう。

【締めの御言葉】

■「悪い者たちや詐欺師たちは、だましたり、だまされたりして、ますます悪に落ちて行きます」(2テモ3:13)。

■「女は、慎みをもって、信仰と愛と聖さにとどまるなら、子を産むことによって救われます」(1テモテ2:15)。

■「男たちは怒ったり言い争ったりせずに、どこででも、きよい手を上げて祈りなさい。・・・夫たちよ、妻が自分より弱い器であることを理解して妻とともに暮らしなさい。また、いのちの恵みをともに受け継ぐ者として尊敬しなさい。そうすれば、あなたがたの祈りは妨げられません」(1テモテ2:8b/1ペテロ3:7)。